覚えて便利な鹿児島弁

 黒板消しの事を、鹿児島県ではラーフルと呼ぶ。語源は諸説あるものの、外来語との説が有力らしい。ちなみに、メーカーのカタログには一部ラーフルという言葉が利用されているらしい。ホワイトボードを消すものについては、ラーフルとは呼ばない。

 鹿児島名菓。山芋を利用したおまんじゅうのようなものだが、カステラのように柔らかくふっくらして、カステラより弾力のある生地である。山芋をおろしたものに、うるち米の粉と砂糖を加え、よくすり混ぜて蒸し上げる。まばゆいばかりの白い色をしており、上品な甘さ。かるかんやようかんのようにスティック状にしたり、おまんじゅうのように中にこしあんを入れてあるものが一般的。江戸時代には江戸で売っていた記録があるが、県外の人に、「ネコの餌?」と聞かれて、大変なショックを受けてしまった。

 鹿児島名菓。フラッペのようなもの。かき氷に練乳とシロップの中間のような物をかけてフルーツを大量に投入した物体。容積が大きい、かき氷の化け物のような物が多いが、アイスキャンディー状にした物も売られている。一部では赤いシロップや黒いシロップをかけて、赤熊や黒熊と呼称して販売しているものもあるとかないとか。鹿児島最大の商店街「天文館」にある「むじゃき」が本家らしい。

 物を元あった場所に収納する事。しまう、片付ける。なおす、と聞いた場合には「修復する」という意味より先に、「片付ける」という意味を連想する。西側の日本では広く利用されているらしい。

 ランドセルなどを背負う事。かばんをからう。ほとんどはランドセルかリュックサックだけに利用する言葉だが、希に人にも利用する。絡む…からきているのかな?

 「行く」の意。「○○君の家に遊びに来るね」と言ったら、「遊びに行くね」という意味になる。なぜ、行くのに来るなのかと言われると苦しいが、行くという言葉も普通に使う。特に混乱する事はないです。

 「あげる」の意。「このパンくれる」と言ったら、「このパンをあげる」という意味になる。鹿児島弁はなかなかあまのじゃくな一面があるような気もしないでもない。

 穴を開ける事を、「ほがす」という。「ほがす」と言えば、穴を開ける事なのだが、「穴をほがしてね」等と使う。謎だ。そもそも「穴を開ける」という言葉を頻繁に利用することがあるわけでもないだろうに新たに言葉が出来ているというのが、そもそもの謎。うーん。

 かきまぜること。一部の辞書に載っていたから標準語かも知れない。物体のみならず、お話や人間関係をかきまぜてごちゃごちゃにすることにも利用する。話をまぜるく人といったら、話をめちゃくちゃにしてくれる人の事を言う。

 もたれる事、よりかかること。人や背もたれにぺたーっと倒れ込んでいく様子を「なんかかる」という。鹿児島ではもたれるとかよりかかるという言葉は普通利用しないで、「なんかかる」という。語源は何だろう?

 こそげるの意味。表面を削り落とすこと。なぜにこさぐに変化したかは不明。

 「掃く(はく)」の意。「はく」とわ言わずに、「はわく」と言う。「はわく」が標準語だと思っている人はとても多いと思われる。なんで間に「わ」が入るのかは謎。

 腐っているの意。「腐っている」とは言わずに「腐れている」という。「腐れる」が標準語だと思っている人はとても多いと思われる。似た言葉に「ねまる」がある。

 濃いの意。「こい」とは言わずに「こゆい」という。「こゆい」が標準語だと思っている人はとても多いと思われる。間の「ゆ」はどこから出てきたのか。

 標準語では「〜かったです」とするところを、鹿児島の人は「〜でした」と言う。県外の人から見たらおかしいらしいが、鹿児島県人は普通に利用しているので何がおかしいのか分からない。「楽しかったです」→「楽しいでした」

 標準語では「〜だっけ?」とするところを、鹿児島の人は「〜け?」と言う。とりあえず、なんでも「〜け?」を付ければ疑問形になるという、便利な言葉。「今日は晴れだっけ?」というような不自然な言葉を使わなくても、「今日は晴れけ?」なら、全然おかしくない。「〜だっけ?」も「〜かなぁ?」もそつなくこなします。

 動作を伴って、同意を求める意味。「行くが」で、「いきましょう」・「食べるが」で「食べましょう」の意味になる。「け?」と同じく便利な鹿児島弁。「○○するが」で、ほとんど何でも通じる。

 同意するときに用いる語。「そうだよねぇ」の意。「○○先生って変だよねぇ」「だからよ(本当にそうだよね)」といった具合。

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